副腎腫瘍とは
副腎はほぼみぞおちの高さで、背中側にあります。通常は2~3?の小さな臓器で、両側とも腎臓と同じ“後腹膜腔(こうふくまくくう)”にあり、腎臓に接して上方に存在することからこの名前がありますが、その働きの主なものは内分泌臓器として、体の種々の指令のもと、さまざまな物質“ホルモン”を分泌し、体の恒常性(こうじょうせい:ある一定のバランスを保つこと)や血圧の調節を行っています。
副腎の中の細胞の一部が勝手に増殖し腫瘍を形成した状態を副腎腫瘍と言います。正常でも副腎の中には役割の異なった多くの細胞がありますので、増殖した細胞(腫瘍がどの細胞から生じたか)によって症状が異なってきます。
副腎腫瘍の主な症状
<クッシング症候群>
脂肪沈着によって、顔が丸くなる(ムーンフェイス)・胸、腹が太る・手足が細くなる・皮下出血しやすい・性欲、筋力低下など。
<原発アルドステン症>
血圧が高くなる。・人により夜間に尿が多くなる・脱力感・筋力低下・筋肉の麻痺など。
<褐色細胞腫>
非常に重症の高血圧・動悸・過剰な発汗・立ちくらみ・速い呼吸・冷たく湿っぽい皮膚・重度の頭痛・胸や胃の痛み・吐き気、嘔吐・視覚障害・指の刺すような痛み・便秘・奇妙な死の強迫感など。
副腎腫瘍の主な原因
皮質というところの細胞が増殖した場合に副腎皮質ホルモンが過剰に体内を循環して引き起こす「クッシング症候群」と呼ばれるものや、同じ副腎の皮質の細胞でも「アルドステロン」という血圧を調節(上昇)する物質が過剰に産生される「原発性アルドステロン症」と呼ばれるものもあります。また副腎髄質という場所の腫瘍では「褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)」と言われ、アルドステロンとは違う「アドレナリン」という物質が多くなり高血圧を引き起こす場合などさまざまです。また腫瘍がありながらどの物質も過剰ではなく症状をおこさないものもあります(無機能性)。
初診に適した診療科
- ※このページの作成をお手伝いいただいた場合は、こちらでご紹介をさせていただきます。ご協力よろしくお願いいたします。