肝嚢胞とは
肝臓の中にできた水胞を言います(水分がたまった丸い空洞を嚢胞(のうほう)と呼びます)。 巨大な嚢胞の場合には、おなかの圧迫感が出たりすることがあります。また、嚢胞の中に出血したり、感染したりすることがあります。また、ごく稀に破裂する場合があり、大きいものには毎年のCTやMRIに依る検査をお勧めします。
肝嚢胞は年を経て大きくなったり癌化することは無く、通常病的意義は乏しいのですが、8cm以上と非常に大きな場合は、圧迫症状を起こしたり、肝機能障害を引き起こす場合もあります。また、感染や出血、破裂などの合併症が発生する場合もあります。 治療が必要な場合は、最近では外科的切除以外に、のう胞内の液体を穿刺吸引し、エタノールなど薬品を注入して内皮を固定する治療がよく行われます。 のう胞内壁に隆起成分が見られたり、多房性を示すなど非定型的な場合は、単純な肝嚢胞ではなく、他ののう胞性腫瘍や転移性悪性腫瘍の場合もありますので、精密検査が必要になります。無症候性の単純性のう胞の場合は、年に一回程度の経過観察をお勧めします。
肝嚢胞の主な症状
殆どの場合、症状はなく、健康診断などの超音波検査で見つかることが多いとされています。嚢胞が大きく、または炎症を併発している場合や、腹痛などの症状を合併している場合には治療が必要です。
肝嚢胞の主な原因
肝嚢胞自体は良性で、単発性の病変です。放置しても大きくなることや増えることはありません。例外として遺伝により生まれつき腎臓や肝臓、膵臓にたくさんの嚢胞がある人がいます。この場合、内臓だけでなく、脳動脈瘤を生じていることがあり、注意が必要です。寄生虫(エキノコックス)に依る虫卵でもできることがあります。
初診に適した診療科
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