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胸腺腫

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胸腺腫とは

胸腺は、縦隔(じゅうかく)と呼ばれる部位にあり、実際には身体のほぼ中央で胸骨の後ろ、心臓の前面にある小さな臓器です。あまりなじみのない臓器ですが、胎児から幼児にかけては身体の免疫をつかさどる重要な働きをもっています。しかし、成人になるとその機能を終えて退化します。胸腺腫には肉眼的に被膜で覆われているもの(非浸潤性)と、周囲(胸膜、心膜、肺、大血管)へ浸潤性増殖を遂げるものとに分かれます。胸腺腫の場合は病理学的に良悪性の鑑別がつきにくいことから、後者の臨床的に周囲臓器へと浸潤性に増殖していくものを悪性としてとらえています。MRIではこの周囲臓器への胸腺腫の浸潤の程度が明瞭に判り、診断に有用となっています。

胸腺腫の主な症状

胸腺腫に伴う症状は、2つに分けて考えることができます。すなわち、腫瘍そのものに起因する症状と、免疫異常などの合併症による症状です。
初期の胸腺腫で症状があらわれることは稀です。胸腺腫による症状は、腫瘍が大きくなって周囲の臓器を圧迫したり、浸潤して破壊するためにおこります。具体的には、胸痛、咳、喀痰(かくたん)、呼吸困難、上半身(特に顔面)、頸部のうっ血、浮腫などです。しかし、これらの症状はかなり進行してはじめてあらわれてくるもので、無症状の場合もかなり多いようです。

胸腺腫の主な原因

好発年齢は30~50歳、小児は極めてまれとされています。原因については、明確なものはわかっていません。
前に述べた免疫異常と関連した重症筋無力症、赤芽球癆(せきがきゅうろう)、シェーグレン氏病などを合併することが知られています。

初診に適した診療科

呼吸器科

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