間質性肺炎とは
間質性肺炎は、国が難病として研究・調査の対象に指定した118の難治疾患の中の1つで、発病率は、一般的に10万人に5人程度と言われています。
私たちは肺で呼吸をしています。肺全体は非常に目の細かいスポンジ状の組織をしています。吸い込まれた空気は、気管支の末端の直径数ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ) の肺胞(億の単位、肺実質)という所まで入ります。この肺胞のまわりの壁の部分を間質と呼びます。この壁は非常に 薄く、その中には毛細血管が網の目のようにはりめぐらされていて、ここから酸素が吸収されます。酸素を吸収した血液は心臓へと戻り、そこから全身に供給されて行きます。この肺胞の壁(間質)に炎症がおきる病気を総称して「間質性肺疾患」と呼んでおり、 この中でも、線維化をおこしやすい病気を特に間質性肺炎とまとめて呼んでいます。 私たちが一般的に単に「肺炎」と呼んでいる疾患は、細菌やウィルスの感染が原因で肺胞の内部 (空気のあるところ)に炎症が起こります。この点が肺炎と間質性肺炎とが大きく異なる点です。
間質性肺炎では、炎症が進むと肺胞壁が厚くなり、肺胞の形も不規則になって、肺全体が少し固くなります。 その結果、肺のふくらみが悪くなり肺活量がおちると同時に、酸素の吸収効率も悪くなってゆき、息苦しくなったり、咳が出ます。さらに進行すると、 肺は線維性成分の固まりとなり、この部分での肺としての機能が失われる場合があります。
間質性肺炎の主な症状
もっとも多い症状は乾いた咳と息切れです。人によっては風邪になった時にでるような、疲労感、微熱、体重の減少を来します。間質性肺炎を合併するとされる、リウマチなどの膠原病疾患を合併するとこれに附随し多少状(筋肉痛や関節痛)が現れたりする場合があります。
間質性肺炎の主な原因
一般的に間質性肺炎をひきおこす原因は実に多彩で、大きく分けても以下の種類があります。
- 膠原病の合併症によるもの
- マイコプラズマ、ウイルスなどの感染症によるもの
- 放射線照射に起因するもの
- 粉塵などの害によるもの(職業または環境に起因するもの)
- 抗生物質、抗がん剤、抗炎症剤、リュウマチ治療薬一部漢方薬(小柴胡湯が有名)等の薬剤に起因するもの
- 類肉症(Sarcoidosis)、好酸球肉芽腫(Eosinophilic granuloma)、AIDSなどの病気に起因するもの
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