上咽頭癌とは
上咽頭は脳神経と隣接するな解剖学的な位置関係から、根治手術をするのが極めて困難な部位です。また、上咽頭癌は低分化~未分化な組織型であることが多く、他の癌に比べ比較的放射線や化学療法の感受性が高いとされています。 以上より、治療は通常、根治的には手術は行われず、放射線治療が主体となります。5年生存率で、全体で35~50%です。上咽頭癌は高線量の放射線を照射される関係上、治癒されても様々な治療後の合併症・後遺症を生じます。
造影MRIは腫瘍の存在部位や周囲の軟部組織への進展度評価において優れています。また、CTでも骨条件での画像は、腫瘍の頭蓋底浸潤による骨破壊の観察に優れています。
上咽頭癌の主な症状
腫瘍の存在部位や浸潤方向によって症状が異なりますが鼻出血や鼻閉などの鼻の症状はかなり進行してから出現します。
上咽頭には耳管開口部があり、ここに腫瘍が及ぶと耳閉・耳鳴り・難聴・耳漏などを先にきたし、いわゆる滲出性中耳炎の症状から見つけられることがあります。
また、比較的早期からリンパ節に転移しやすく、頚部腫瘤の症状で発見されることもあります。原発不明の頚部腫瘍の精査中、試験的に上咽頭から生検して見つかることもあります。また上咽頭は解剖学的に頭蓋底の直下にあり、脳神経・血管などの複雑な構造を取り巻くように進展することが多く、神経に浸潤してくると顔面・口腔・咽頭部の脳神経症状をきたしてきます。
神経が侵されない限りは痛みの症状は起きにくく、また、内視鏡でも異常が確認できないこともあり、かなり進行してから気付く事が多いです。
上咽頭癌の主な原因
他の頭頚部癌の多くが飲酒・喫煙に関係していることとは異なり、EBウイルス(Epstein‐Barrウィルス)が主な原因の一つと考えられています。40歳以上の東洋人男性に多いとされています。
初診に適した診療科
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